01 / BEFORE PROMPTING
プロンプトより先に、材料と責任を決める
よいプロンプトをコピーしても、入力する情報が曖昧なら、もっともらしい一般論が返ってきます。広報で使う前に、目的、対象、確定した事実、使ってはいけない情報、最終確認者を決めてください。
目的+対象+一次情報+制約+出力形式+確認事項
ChatGPTには「書いて」だけでなく、「何を根拠に」「何をしてはいけないか」「人がどこを確認するか」を伝えます。以下の例は、そのまま使うための完成品ではなく、自社の情報とルールを入れて調整する型です。
02 / 10 PROMPTS
広報実務で使えるプロンプト10選
調査の論点を整理する
あなたは企業広報のリサーチ担当です。
以下のテーマについて、公開情報を調査する前に確認すべき論点を整理してください。
テーマ:[調査テーマ]
目的:[企画・発表・取材準備など]
対象:[顧客・社員・メディアなど]
出力:
1. 確認すべき事実
2. 参照すべき一次情報
3. 意見が分かれる論点
4. 追加で担当者に聞く質問
事実そのものを推測せず、調査項目だけを提示してください。AIに答えを作らせるのではなく、調べる範囲と原典候補を整理させます。
発信前に不足している事実を見つける
以下は発表予定の内容です。読み手が判断するために不足している事実を指摘してください。
発表内容:[内容を貼り付け]
読み手:[対象]
目的:[生みたい理解・行動]
「事実」「根拠」「具体例」「前提条件」「未確定事項」に分けて質問を作成してください。
書かれていない情報を補完・推測しないでください。原稿を作る前に、発表材料の不足を洗い出す用途です。
プレスリリースの構成案をつくる
以下の確定情報だけを使い、プレスリリースの構成案を作成してください。
発表主体:[会社名]
発表内容:[確定した事実]
背景:[社会・市場・顧客の状況]
対象:[主な読み手]
根拠:[数値・実績・行動]
今後:[確定した予定]
出力は「タイトル案/リード/本文見出し/各見出しに入れる事実/問い合わせ先」の順。
入力にない数値・固有名詞・評価・将来予測を追加しないでください。最初から完成稿を求めず、構造と使用する事実を先に確認します。
タイトル案を比較する
以下の発表内容について、誇張せず事実が伝わるタイトル案を10案作成してください。
発表内容:[要約]
必ず含める語:[語句]
使用しない語:[No.1、画期的など]
文字数の目安:[全角○文字]
各案に「最も伝わる事実」「想定する読み手」「誤解の可能性」を添えてください。案の数より、何を強調し、どんな誤解が生じるかを比較します。
相手ごとにメッセージを書き分ける
同じ事実を、以下の対象ごとに説明し直してください。
共通の事実:[確定情報]
企業として伝えたいこと:[コアメッセージ]
対象:顧客/社員/採用候補者/取引先
対象ごとに、
1. 関心事
2. 最初に伝える事実
3. 200字の説明文
4. 追加で確認されそうな質問
を出力してください。
事実と解釈を明確に分けてください。言葉だけ変えるのではなく、相手の判断材料に合わせて順序を変えます。
想定質問とFAQをつくる
以下の発表に対する想定質問を、好意的・中立的・批判的な視点から作成してください。
発表内容:[内容]
影響を受ける相手:[対象]
未確定事項:[項目]
回答できない事項:[項目]
各質問について、
・回答に必要な事実
・確認する社内担当
・回答できない場合の説明方針
を整理してください。回答内容は捏造しないでください。回答文より先に、確認すべき事実と責任者を明らかにします。
取材対応を準備する
あなたは[媒体・読者像]の記者です。以下のテーマについて取材質問を15問作成してください。
テーマ:[テーマ]
企業の主張:[主張]
公開済みの根拠:[根拠]
注意が必要な論点:[論点]
基本質問、具体性を問う質問、矛盾を確認する質問、今後を問う質問に分類してください。実際の記者や媒体を装うのではなく、読者視点の質問を準備するために使います。
一つの発表を複数チャネルへ展開する
以下の承認済み発表内容を、チャネルごとに再構成してください。
原文:[承認済み本文]
変更してはいけない事実:[項目]
出力:
・公式サイト用の300字要約
・営業担当が説明する3つの要点
・社員向けの背景説明
・SNS投稿案(煽り表現なし)
各出力の末尾に、原文から省略した重要事項を記載してください。短くするほど文脈が落ちるため、省略事項も出力させます。
公開前のリスクを点検する
以下の原稿を公開前レビューしてください。文章は書き換えず、指摘だけを出してください。
原稿:[本文]
確定事実の一覧:[一覧]
表記ルール:[ルール]
確認項目:
1. 根拠が本文にない断定
2. 数値・固有名詞・日時
3. 読み手が誤解しうる表現
4. 差別・偏見・過度な一般化
5. 権利・個人情報の確認が必要な箇所
6. 担当部署へ確認すべき事項AIの判定を最終承認にせず、人のレビュー項目を増やす補助として使います。
発信後の反応を整理する
以下の反応を、個人を特定しない形で分類・要約してください。
発信の目的:[目的]
反応データ:[問い合わせ・記事・SNS・営業現場の声]
出力:
1. 正しく理解された点
2. 誤解された点
3. 繰り返し出た質問
4. 次に公開すべき事実
5. 仮説にとどまる所見
件数と内容を混同せず、少数意見を全体傾向として扱わないでください。量だけでなく、理解・誤解・次に必要な情報を振り返ります。
03 / HUMAN REVIEW
出力を確認する6つの視点
- 01
事実
数値、固有名詞、日時、制度、引用を原典や社内責任者で確認する。
- 02
推測
入力にない原因、効果、評価、将来予測が追加されていないか確認する。
- 03
権利
著作権、商標、肖像、個人情報、契約上の制約を確認する。
- 04
表現
誇張、偏見、差別、断定、受け手に不要な不安を与える表現を確認する。
- 05
文脈
短縮や書き分けによって、重要な条件や背景が落ちていないか確認する。
- 06
責任
誰が確認し、誰が公開を承認したかを明確にする。
04 / DATA CONTROL
入力前に、プランとデータ設定を確認する
ChatGPTのデータの扱いは、個人向けサービスと法人・組織向けサービスで異なります。OpenAIは、ChatGPT Business、Enterprise、Edu、APIなどのビジネスデータを、既定ではモデル改善に使用しないと案内しています。一方、個人向けサービスでは設定により扱いが変わるため、「Data Controls」を確認できます。
ただし、設定だけで社外秘を自由に入力できるわけではありません。契約、社内規程、個人情報保護、顧客との約束を確認し、広報部門だけで判断しない運用が必要です。
- 使用するアカウントと契約プランが決まっている
- 入力可能な情報を、公開・社内・機密・個人情報に分類している
- 共有リンク、履歴、外部連携、ファイル保存の扱いを確認している
- 問題が起きた場合の停止・削除・報告手順がある
公式情報:OpenAI Business data privacy / Data controls in ChatGPT
PILLAR GUIDE / AI PR
プロンプトを、広報の仕組みへつなげる。
活用例だけでなく、AI広報の定義、人が担う領域、リスク、導入7ステップまで含めた全体像は、こちらの記事で整理しています。
「AI広報とは?」の全体ガイドを読む社内ガイドラインのひな形を見る
FAQ
ChatGPTの広報活用でよくある質問
ChatGPTへ社外秘の情報を入力してもよいですか?
一律には判断できません。利用プラン、契約、組織の管理設定、社内規程を確認し、入力可能な情報を分類してください。個人向けサービスと法人向けサービスではデータの扱いが異なるため、担当部門の承認なしに機密情報や個人情報を入力しないことが基本です。
ChatGPTが作ったプレスリリースをそのまま配信できますか?
推奨できません。数値、固有名詞、引用、権利、将来表現、社会的影響を人が確認し、企業の責任者が承認してから公開します。
良いプロンプトがあれば広報の品質は上がりますか?
プロンプトだけでは不十分です。参照させる一次情報、発信目的、対象、禁止事項、確認・承認の流れが揃って初めて、再現性のある品質につながります。